住まいの健康を考えたリフォーム資材
健康に配慮したリフォームを計画中の方へ

日々のリフォーム設計・工事で使っている・使ってみたい商材を健康素材などを取上げ、ご紹介していくページです。
大メーカーのものばかりではなく、 一般の方が目にすることが少ない商品を積極的に取上げたいと考えています


毎月テーマを絞り取上げます
(選択のポイントとメーカー名なども参考にして下さい)
    
   
読者の方へ
 このコーナーで取上げた情報が全てではありません。これからも随時追加・校正の記事をアップするつもりです。
 参考情報及び情報メールは:
 技術情報担当:
  
rbk.tec@reform-hiroba.com
  まで

今月のテーマ
塗料
商品名
(俗称名)
メーカー名 特徴 備考(価格その他)
合成塗料
シンナー うすめ液など ほとんどのメーカー
ごく一般的に使われてきた。
トルエン・キシレンなどVOC(揮発性有機化合物)の代名詞のように言われている。完全に揮発するまでは要注意。
ラッカーも似たような性質をもつ。
オイルベイント
ステイン
OP,OS ほとんどのメーカー
建築塗料として一般的に使用されている。
溶剤に石油化学系のものを使用する事が多い。
自体の揮発性は低いが、希釈剤にシンナーを使用する。
環境配慮塗料 エコフラット70など 日本ベイント
その他

ごく最近国内の大手メーカーも、環境、VOC対策をした塗料を発売してきている。
トルエン、キシレンなど炭化水素系溶剤を使わず、発ガン物質も含まれていない。
ホルムアルデヒト吸着性を持つ製品もある。
自然系塗料
柿渋

日本古来の自然塗料。そのまま塗ることも、赤錆などの顔料と混ぜることもある。
塗装直後はかなり匂いがきついので、注意。
オイルフィニッシュなど オスモカラー、リボスカルデットなど オスモ、アウロ、リボス、ターナーなど
大半がドイツからの輸入品。各社少しずつ違いがある。
100%天然品、アレルギー対応品など。
テレピン油、オレンジトラール、イソパラフィンを原料、溶剤としている事が多いので、まれだが、体質によっては注意。
今までの石油化学系塗料とは、まったく違うものとして考えたい。
乾燥が遅く(1〜2日)、かつ施工費も今までの2倍以上になる。
蜜ろうワックス リボス、ターナー、国産各社など多数
蜜蜂のロウを基材としているが、その他の成分にテレピン油などを使用しているのは、他の自然塗料と共通している。
頻繁に空気を入れ替えないと、いつまでも匂いが取れない。
その他のワックス アウロ、ターナーオスモなど各社
カラ松、米ヌカ、カルナパなどを基材としている。
その他の補材は密ロウとほぼ同じ。
蜜ロウワックスに似ている性質を持つ。
ワンポイント
アドバイス

自然系塗料がブームのようだが、その健康対応性(話題性)ばかりが先走っていないだろうか。
確かにこれから、健康や環境ホルモンの問題を抜きに施工は出来ない。ただその価格や施工性の悪さ(今までと比較してだが)が、一般にはまだまだ知られていない。その点が現場で混乱を招いていることが多い。
施工直後の匂いに対するクレームや工程の遅れなど。
また空き家をリフォームした後、換気がされずに一ヶ月たっても蜜蝋ワックスが乾かないことがあった。

この点施工者側から施主に対して事前の説明が大切。特にリフォームにおいては、工事完了直後に使用することが多いので、なおさら。




壁仕上げ材(2) 商品名
(俗称名)
メーカー名 特徴 備考(価格その他)
壁紙
不織紙 フィデリオ、モーメントなど トミタなど
ポリエステル、セルロースなどを主材料として壁紙として仕上げたもの。木材チップを主原料としているものもあり。

調湿性はよいが、施工性に難点があり。
輸入品が多く、その場合は比較的高価
再生紙
塗装下地用
ルナファザー
ラウファザーなど
日本ルナファザーなど
主としてドイツから生まれた。表面に自然塗料を塗ることを前提としている。木片チップなどを原料とした、再生紙を利用。通気性・調湿性を重要視している。

表面に塗る塗料が、課題。各社ともリボス、アウロ、オスモなど自然塗料を指定している

価格的には、塗装を含むと高くなる。
ケナフ紙 ケナフウォール 東リなど
ケナフ草から加工・製作。新しい材料で、表面の溌水加工などの内容は各社による。
ケナフの増殖自体が日本の生態系を崩すという説もあり。

価格、施工性とも従来品と同等。吸湿性については、データなし。
アクリル紙
オレフィン紙
サンゲツ・リリカラーなど多数
ビニル壁紙に変るものとして、今後の主流か。オレフィン樹脂などを主原料としている。塩ビを含まないので、可塑剤を使わない。ホルムアルデヒトの放散も問題にならないレベル。

表面の耐久性が、従来のビニル壁紙より劣る。価格は、従来品と同程度。調湿性などはデータなし。
燃焼時に窒素酸化物NOXなど違う化合物を放散するなど未知の部分あり。
和紙 越前和紙・因州和紙など トミタ・中村など
楮、みつまたを主原料とした天然素材100%が殆ど。昔から使われてきた。最近見直されている。

手作りのため、量産化出来ず高価。その風合いは、和風として捨て難い。
ビニールクロス 圧倒的に多く使われている"壁紙"。特に断りがなければ、これが使われている。施工性バツグン、安価。
主材料が塩化ビニールで、燃えるとダイオキシンが発生する。可塑剤にフタル酸ヘキシルという環境ホルモン物質が混入されている。その他にも色々使用されている。ホルムアルデヒトの放散量は比較的少ない。
調湿性などは殆どない。
今最も問題視されている材料。
その他壁紙
活性炭入り壁紙




月桃紙

カーボン
スペース21
小泉製麻





和紙原料を主体とした表面仕上げと裏紙との間に、活性炭シートを挟んだもの。ホルムアルデヒトを吸収する性質がある。



沖縄県のショウガ科の植物からパルプ化して製作する。

施工性に難点があり、仕上げに課題。価格が高価である。



防虫、消臭の効果もある。施工性はあまりよくない。若干高価である。
接着剤(のり) ルーアマイルドなど ヤヨイ化学、極東産業、矢沢化学など
最近の接着剤は殆どホルムアルデヒトを出さない、ノンホルマリンタイプになっている。ただし主成分以外の保存剤については注意が必要なものもあり。

ホルムアルデヒト以外のVOCついては多少チエック必要。この両方を吸収する性能があるものも出荷されている。
価格は殆ど変らない。
ワンポイント
アドバイス
何を問題にするか

圧倒的な量で使われてきたビニール壁紙(クロス)だが、ここへ来て環境汚染やシックハウス症候群などの健康被害の問題から改善の傾向がはっきり見えてきた。
ダイオキシンの問題は大々的にマスコミにも取り上げられ。そのおかげで壁紙も塩ビは使用しないで製造され、環境ホルモンや発ガン性が問題にされてきた可塑剤なども改善されて来た。またホルムアルデヒトの問題も、素材を変えるなどで殆ど問題にならないレベルのものが発売されている。

ただ汚れ防止、耐水性などの点から表面処理をしているものが多い。この表面処理(コーティング)が吸湿性、調湿性を損なっていることが多い。
室内の結露防止の点から考えると、これは問題が多い。多少耐久性が落ちても、汚れが着きやすくとも調湿性を保ったものを使いたい。
日本ではチョットの仕上げの悪さも気にすることが多く、それがメーカーや施工会社を仕上がり優先に考える様にしたとも言える。

リフォームの時、何が1番大切かを優先的に考えたいものです。

                                                                


壁仕上げ材(1) 商品名
(俗称名)
メーカー名 特徴 備考(価格その他)
塗り壁
珪藻土 ”レーベ”など多数 富士川建材、サメジマなど多数 健康素材として最も注目されている。植物性プランクトンが海底などに堆積して出来あがった泥土。多孔質で、調湿性と吸臭性にとんでいる。
価格は他の材料より高い(京壁に比べ5割程度)凝固材その他が多くて、珪藻土
50%以下というメーカーもあるので注意。
京壁 聚楽壁 富士川建材、
四国化成など
多数

昔から和室の壁仕上げ材として使われてきた土壁の代名詞。竹小舞を下地にする方法からラスボード下地になり、施工性からスサなどの配合も変わってきている。
土ではなく、パルプを主材料とするものもあり注意が必要。
素材としては、安心感がある
しっくい壁 漆喰、土佐漆喰などがある。 富士川建材など多数 消石灰に糊とスサなど混合してつくる伝統的左官材料。
調湿性もあり、自然素材として見直されている。

土佐漆喰は比較的高級とされる。一般的には聚楽壁 より安価である。
汚れ安い欠点がある。
プラスター塗り 石膏プラスター
石膏を主材料とし、砂やスサなどを混ぜて施工される。比較的安価であるが、乾燥不足や、急な乾燥でひび割れが出る。
石膏ボードの表面も同質である。

施工性、耐久性は比較的
よい。価格的で安価であるが、内装用は他の材料より耐久性におとる。
ジョリパット アイカ工業
洋風塗壁

内外装・店舗内装にも仕様出来る。
(E0相当の基準は満たしているが、若干の有機溶剤を使用しているとメーカーより回答)
左官、吹付けともり施工可能またコテ模様も出しやすい。
価格的には珪藻土程度。
中霧島壁 薩摩中霧島壁 高千穂 健康素材のニューフェース。火山灰を主成分とした、珪藻土とほぼ同等の調湿性、ホルムアルデヒト吸収性をもっている。

ボードに1回塗りで仕上がり、
施工性が良い。価格も珪藻土より、かなり安く上がる。寒冷地の施工は注意が必要。
ワンポイント
アドバイス
 
 塗り壁材は他にもいろいろあります。繊維壁なども以前は多用されました。しかしその成分からおすすめできません。
 また今もっとも宣伝されている珪藻土でも、凝固材・安定剤を混合してあることは事実ですし、メーカーによって20%以下しか珪藻土が含まれていないものもあると言われています。ようは過信しないことです。
 珪藻土などは呼吸することによって、調湿効果があるのですから、その質量によって効果の程度も左右されるということです。成分と質量(比率)(塗り厚)注意しましょう。
 また今後どんどん良い材料かせ開発されてくるでしょうし、そうあるべきです。
コラム
シックハウス症候は現代病
 最近とくにシックハウス、アトピー・ホルムアルデヒトなどという言葉が盛んに使わ れている。 20〜30年ぐらい前は殆ど一般の人達の話題になっていなかったように思う。ここ十年ぐらい特に感じるそれは新建材が盛んに使われていることもあるがアルミサッシの普及にも原因がある。

 勿論アルミサッシ自体の問題というより、その結果として住宅の室内の気密性が飛躍的にアップしたことによる。
 夏も冬もエアコンで室内に一定の温度・湿度が保たれている。これがダニ・ノミなどの繁殖を促進している。(殺虫剤についてはここでは触れないでおく)

 以前の住宅は、木製の雨戸・サッシに、室内は引戸が中心で自然と換気が行われていた。 (だから冬は寒かった)
 最近の住宅は、一定の室温と換気不足がダニなどの発生・増殖を助け、加えて新建材から発生するホルムアルデヒトなどの有害ガスを室内に充満させやすい。殆ど全ての住宅メーカーが宣伝で謳っている、高気密・高断熱も一歩間違えるととんでもない結果をもたらす。建物全体の換気設備があっての高気密だということは、覚えておこう。
 また一般に使われている電気屋さんで売っている「エアコン」は、換気機能がないという事も知っておこう。(特殊な機種を除く)

 アルミサッシ、『エアコン』、ドア、各種新建材すべて以前はなかったか、性能が劣っていたものばかり。
 シックハウスは現代病といわれるのもまちがっていないかも。