世間これだけ多くのリフォーム会社があるが、その中で自分の会社だけは生き残りたい、成功したいと思うのは、リフォーム会社経営者の共通の望みである。
 しかしこうした望みとは別に、早くもリフォーム業から撤退をした会社があったり、悲劇的なのは倒産した会社もある。
 いっとき咲いた花壇でもすぐに枯れてしまう花壇もあれば、一年中花が咲き続ける花壇もある。手入れの良さや、花のことを良く知っているかどうかがきれいに咲きつづけるか、早く散ってしまうかの分かれ目になることだろう。

 リフォームの世界においてもかんじんな事は、リフォーム業のことを良く理解することから始まる。そこで項はリフォームの基本的なことを仙人が解いて聞かせる項といたす
12月21日更新

特別企画「住宅ジャーナル10月号」 掲載記事最終回
     建設業の新しい枠組みを考える時代の到来!

 さて本稿のリフォーム業の専業化についてであるが、過当競争化において、リフォーム会社は受注チャンスを狙って、リフォーム工事なら何でも行いますという宣伝を行っているが、消費者はこの点に不信を抱いているのである。

 町の電気屋さんの広告で、どちらが表かは良く分からないが、1面は電気製品の売り出しの広告で、裏面はリフォームなら何でも行いますという広告である。
 引越し業者の広告面においても、1面は引越しのこと、裏面はリフォームのことである。新聞に折込まれるチラシでも、リフォーム相談会と銘打ったものが折込まれ、「○○工事△△円〜」といった価格を列挙したチラシが多い。
 消費者が求めているもは「良質、適正価格」である。リフォーム会社として消費者に安心感を与えるのは「○○工事△△円〜」ではないはずである。消費者が求めているのは、塗装のみなのかもしれない。或いは屋根工事なのかも知れない。
 消費者は塗装工事であればどこが「良質で適正価格」であるか分からないのである。それなら「当社は○○町で25年も続く塗装店です。塗装の事は専門の塗装店に頼まれたほうが、良質で価格もお得です。」と消費者に訴え、消費者の住宅を訪問したら良い。
 最近悪質訪問販売会社が消費者のお宅を訪問して、消費者に高額のリフォーム工事を勧めて、受注し、その後の工事の件、解約の件でトラブルを起こしている例は多い。
 地域の専門工事会社として自社の専門工事をアピールすると同時に積極的に営業行動をしたら良い。


 リフォーム工事は30万円以下の工事が70%近くを占めているというデーターがある。「小工事なら何丁目で店舗を構えております私○○大工にお気軽にご用命ください。すぐにかけつけます。」と挨拶に回れば良い。
 ある中堅リフォーム会社が比較的注文の多い地域から最近注文が出なくなったので調査してみたら、ある大工が1軒1軒の消費者宅を訪問して、リフォームの工事の注文を取っていることが分かったという。

 リフォーム過当競争の時代にあって、他社と同じ事をしていたのでは結果は同じはずである。良い結果を得たいのであれば他社とは違った動きをすれば良い。営業に動かないより動いたほうが良い。
 リフォーム工事の全て受注しようと思わずに、自分の得意工事を前面に出し、受注したほうが「良質で適正価格」でリフォーム工事が出来るはずである。自分の得意工事以外の工事が出たら、それを専門にする会社に紹介し、お互いに紹介し合うことを考えたらよい。又大型のリフォーム工事で、何職種もの会社が係わりあう工事の場合には、組合組織的にお互いが専門工事の分野でリフォーム工事に参加したら良い。
 但し今までのように元請けの下ではなく、お互いが協力してリフォーム工事を仕上げる組織づくりを考える時期に来ているのではないか。
 
古い枠組みにとらわれていたのでは発展はない。リフォーム業という新しい枠組みが生まれてくるはずである。


<RBK・石田典彦より>               
仙人とはいえ、リフォーム業界で100年も、1,000年も生きてきたわけではない。
少なくともリフォーム業がこれほど注目を浴びる前から,リフォーム業を起こし、自ら第一線に立ってリフォーム業を引張ってきた経験者としての実績が、誰言うともなくリフォーム仙人と言う呼び名になりこのページではその字を使うこととする
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   rbk.senin@reform-hiroba.com